四、万事躰用有(ばんじたいようあり)

体用(本体とその働き)は、いつでも付いて離れない。例えば、風炉は体であり、水指は用である。体は不動のもので、用は動くものである。

論語にも『礼の用は和をもって貴しとする』とあり。(礼儀は調和があってこそ尊いものとなる、という意味)

物事は堅すぎるのは悪く、柔らかいのを善しとする。何においても、ことごとく善を尽くすのは嫌がられる。

『天道は満てるを掻きて謙を益す【満ちた者から削りとり謙遜する者に与える】』と言い、少し足らないところがある方が面白い。

料理でも、ことごとく美味しいのは至極とはならず、重い中に軽さを混ぜるのが宜しい。

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